「グッドボーイ」
各話のあらすじ ネタバレあり

第1話:我らのゆがんだ英雄
かつてボクシングでオリンピック金メダリストだったユン・ドンジュ。
華々しいその活躍に人々は熱視線を集め、英雄として称えた。
しかし、聖火が消えれば英雄は忘れ去られる。
名誉の象徴であるチャンピオンベルトやメダルを質店に持っていき、お金を工面するという、さえない暮らしぶりだ。
インソン市では凶悪犯罪が相次いで起こっており、その警察の対応がずさんな事から、国民からの批判が強まっていた。
警察官のコ・マンシクは、世間から批判が相次ぐこの状況を打開するよう、インソン警察庁の庁長から圧力をかけられる。
愛する妻や留学中の娘のためにお金が必要だし、なんとか庁長に気に入られて出世して稼がないとならない。
警察には、元国家代表のスポーツ選手たちを警察官として採用する特別枠がある。
マンシクは、かつてレスリングの銅メダリストで、この特別採用枠で警察官となった。
ドンジュもその特別採用枠で警察官となっていた。
引き入れたのはマンシクだった。
しかし、ドンジュは、あまりに強いその正義感から、不正をはたらく同僚を見過ごすことができず、ケンカになっりボコボコに打ちのめしてしまった。
その結果、慰謝料を請求されてしまうのだが、ギリギリの生活のドンジュには払えない。
口座は差し押さえられ、降格し、行き場をなくしてしまった。
ドンジュは、大都市ソウルから、マンシクの勤務するインソン警察庁へと左遷された。
同じく特別採用枠で警察官となったチ・ハンナ。
ハンナは、かつて射撃の金メダリスト。
その抜群の美しさから、今はモデルとしてインソン警察庁の広報に利用されてしまっている。
正義感の強いハンナにとって、それはとても不本意なことだ。
広報活動よりも現場に出て活躍したいのに。
庁長は、今問題となっているインソン市最大の犯罪組織“金ウサギ組”を捕まえることで、世間からの批判を覆すんだと鼻息を荒くし、インソン警察庁創立以来、最も大掛かりな作戦の命を下す。
この作戦に参加し、現場で活躍したいハンナだったが、庁長はハンナの異動願いを却下。
うんざりするハンナだった。
“金ウサギ組検挙作戦”、インソン警察庁では大掛かりな張り込みが行われる。
組のパシリ要員であるポンダリという男を張り込み中、街なかで火災による爆発が起こった。
それがきっかけでポンダリは尾行されていることに気付いてしまい逃亡。
肝心の“金ウサギ”ことイ・サンゴンも市街地を走り回り逃亡を図る。
そんな中、インソン警察へ左遷され、この作戦において周辺住民の安全を守るという軽い仕事で招集されていたドンジュは、マンシクと顔を合わせ久しぶりの挨拶を交わす。
共に任務にあたる前に、ちょっとトイレ。
マンシクが用を足していると、トイレの小窓から逃亡中の“金ウサギ”の姿が!
気付いた“金ウサギ”はマンシクをトイレに閉じ込め、さらに逃亡、マンシクを待っていたドンジュの目の前に現れた。
ドンジュは拳を構え、“金ウサギ”を必死に捕まえようとするが、鏡に写る自分の姿を見た途端、一瞬、意識が飛んだ。
その隙にドンジュは殴られ意識朦朧、“金ウサギ”は逃げてしまった。
同じく特別採用枠で警察官となったシン・ジェホン。
ジェホンは、かつて円盤投げの銅メダリスト。
インソン警察庁の交通課で働く。
大きな体で優しく温かいジェホンは、家族のため、生活のために昇進すべく、試験勉強に勤しむ。
しかし、ここまで、試験には落ち続けている。
“金ウサギ”を取り逃がしたことで、庁長は怒り、圧力はさらに強まる。
ドンジュは呼び出され、庁長から叱責、他の警察官からも「お据え膳でも逮捕できないなら手を出すな!特別採用のくせに警察官を名乗るな!」と怒られてしまった。
一般の警察官たちは、特別採用枠のマンシクやドンジュたちを本当の警察官と認めず、見下しているのだ。
惨めな思いをするが、何も言い返せないドンジュだった。
トボトボと元気なくインソン警察庁内を歩いていたドンジュは、ジェホンと遭遇。
抱き合って再会を喜ぶ2人。
優しいジェホンは、ドンジュの顔の傷を心配し、子供用のかわいい絆創膏をくれた。
帰ろうと、インソン警察庁を出ようとしたドンジュは、そこで退勤するハンナの姿を見かけ、笑顔になる。
気づかれないようにそーっと近づくが、ハンナは警察庁前に置かれた自身の看板を蹴っ飛ばして去って行く。
ドンジュは倒れた看板を起こし、汚れを拭き、「ホッパン(ハンナのあだ名)!」と呼び、ハンナを追いかけた。
ハンナはヘッドホンで音楽を聴いていて、ドンジュに気づかない。
突然目の前に現れたドンジュに驚くハンナだったが、2人は笑顔で再会を果たした。
ドンジュはオリンピック選手時代からハンナと知っており、ずっと好きなのだ。
ずっといつも気持ちを隠すことをせず、堂々と“好き”を宣言するドンジュ。
ハンナは「噂になると嫌だから」と拒否するが、ドンジュはそれでもめげすにニコニコ。
2人が軽口をたたき合いながら道を歩いていると、1台の車が止まった。
降りてきたのは、同じく特別採用枠で警察官となったキム・ジョンヒョン。
ジョンヒョンは、かつてフェンシングの金メダリスト。
ジョンヒョンは、ハンナに「話があるから一緒に帰ろう」と誘うのだが、ハンナは断ってスタスタと歩いて行ってしまった。
ハンナとジョンヒョンはまだ関係があるのか…?と少し不安がよぎるドンジュ。
(ハンナとジョンヒョンは付き合っていた過去があるのか?)
ドンジュは、ボクシングの後輩ギョンイルの母親が営む“ギョンイルにゅうめん”という小さな店へやって来た。
ドンジュは自腹で店の看板を作ってプレゼント。
母親は大喜び。
ドンジュは本当の母親のように大事に思い、ギョンイルの母もまた本当の息子のようにドンジュを可愛がり、食事をもてなす。
ギョンイルは、オ・ジョングコーチの紹介で警備会社で働き始めたということだ。
母曰く、昼も夜も仕事で全然帰って来ないそうだ。
ドンジュは家が決まっておらず、とりあえず警察署内の当直室で暮らすことに。
ベッドに横になり、今日のハンナとの嬉しい再会を受けて、昔を思い出す。
<過去>
ドンジュは選抜戦を敗退し、もう後がない崖っぷちにいた。
落ち込んでいたドンジュに黙って近付いてきたのはハンナ。
その美しさによって当時から人気者だったハンナは、自身をキャラクター化したステッカーをドンジュのほっぺに貼って励ました。
そのステッカーは、今はドンジュのスマホに貼られている。
剥がれそうになっても、何度もテープで補強して。
ドンジュはハンナとジョンヒョンの関係が気になる。
翌朝、ハンナが出勤すると、警察庁前に置かれている傷だらけで汚れたハンナの看板に絆創膏が貼られていた。
ハンナはドンジュの仕業と分かり、笑った。
“金ウサギ”を取り逃がしてしまったドンジュとマンシクは監査室で聴き取り調査を受ける。
担当の監査官はジョンヒョンだった。
最近インソン警察庁監査部に異動になったということだ。
調査が終わり、マンシクとドンジュは社食でランチ。
減給処分になったらどうしようと食欲がないマンシクに対し、モリモリ食欲旺盛のドンジュ。
マンシクは、そんなドンジュを見て、食事管理と運動をしないから“金ウサギ”にやられたんだと小言。
ドンジュは、あの時、一瞬意識が飛んだことに理由がありそうな素振りを見せるが、言わなかった。
社食にハンナの姿を見つけたドンジュはニッコリ。
しかし、その隣にはジョンヒョンがいてガックシ。
マンシクは、ジョンヒョンの事を、「特別採用で1番の出世だ」と褒めた。
対して降格して左遷されたドンジュは、恋敵でもあるジョンヒョンが立派なポジションにいることがまったくおもしろくない。
「ハンナとよりを戻したのか〜?」とつぶやくマンシクに八つ当たり。
その時、お皿がひっくり返る大きな音がした。
西部署のオチーム長が、ジョンヒョンの皿をひっくり返したのだ。
そして「人の生活を壊しておいて、よく食えるな!お前の報告書のせいで2人も停職だ!もう1人いる。お前のせいで昇級できなくなった!」とジェホンを指した。
オチーム長はさらに続ける。
「同僚を売って出世して満足だろうな!刃物が使えるなら同僚のあらを探してないでチンピラでも検挙してこい!マスクと金串がないと何もできないか!?現場経験のないやつが、同僚に恥をかかせるな!」とジョンヒョンを侮辱し胸ぐらを掴んだ。
対してジョンヒョンは「賄賂を受け取ったのは現場の恥だ」と冷静に言い返す。
頭にきたオチーム長は「適度なところで手を引け。自分のために。いつか蛇に手を噛まれるぞ。」と小声で脅した。
監査という仕事は憎まれ役、さらに特別採用枠で、芸能人のように女性人気のあるフェンシングメダリストのジョンヒョンであることが、一般警察官たちにとっておもしろくないのだ。
ドンジュとマンシクは、炎天下の中、田舎の畦道に車を止め張り込みを行う。
途中、マンシクが庁長を接待する飲み会があるために抜け、ドンジュは1人に。
夜になっても尚暑く、風に当たろうと車を出たドンジュ。
水を浴びようと前かがみになった瞬間、猛スピードで走ってきた高級車がお尻に激突!
ドンジュは田んぼに突き落とされてしまった。
一瞬意識を失ったが、目を覚まし、車に駆け寄り、「警察だ!車から降りろ!」と警告。
窓から手を突っ込みドアを開けようとした。
すると、車は窓にドンジュの腕を挟んだまま走り出した。
腕が抜けずピンチのドンジュだったが、途中で振り落とされ、道に転がった。
そのまま車は去ってしまい、体中ボロボロの泥だらけになってしまったドンジュ。
ヨロヨロと歩きながら自分の車の近くまで戻ってくると、何者かに車を盗まれ走り去られてしまった。
踏んだり蹴ったりで途方に暮れるドンジュ。
ふと、先程の高級車が猛スピードで走って来た先を見てみる。
ヨロヨロと歩いて進むと、田んぼに男性が倒れていた。
轢き逃げだ。
ドンジュは急いで救急車を呼んだ。
連絡を受けて病院に駆けつけたマンシクは、搬送されたその男は関税庁のイ・ジンスで、犯人を捕まえようとしたドンジュも怪我をしたと説明を受ける。
ドンジュは自身もボロボロなのに、被害者の家族(高齢の母と幼い息子)に寄り添っていた。
翌日、愛車を盗まれた事を知ったマンシクは、出勤するやいなや、怒ってドンジュを追いかけ回す。
お尻が痛い中、逃げ回るドンジュ。
後輩ギョンイルの母親から電話がかかってくる。
ギョンイルは帰ってこないから心配だと。
ドンジュが連絡してもギョンイルは電話に出ない。
そこでドンジュは、ギョンイルに仕事を紹介したオ・ジョングコーチを訪ねた。
ボクシング国家代表首席コーチだったオ・ジョングコーチは、今はJ9警備会社の代表で、次期国際体育委員の有力候補と称えられている。
ドンジュは、オコーチ主催の“韓国アスリートの夜”というパーティーへやって来た。
パーティーには、ハンナとジョンヒョンも来ていた。
ドンジュの元にも招待状は届いていたが、来るつもりはなかった。
ドンジュとオコーチの間には、何か遺恨があるようだ。
オコーチはドンジュの姿を見るなり、あからさまに嫌がる態度を取る。
ドンジュがギョンイルの所在を尋ねると、「仕事をやったが、前払いで受け取った後、音信不通」ということだ。
オコーチは「やつはジャンキーだからヤクでもやって伸びてるんだろう。」とギョンイルのこと侮辱した。
さらに、ギョンイルがそうなったのはドンジュのせいたと言う。
かつてドンジュのパンチを受けたことがきっかけで、ギョンイルは怪我をして、その後遺症によって不自由な体になってしまった。
そのため、いまだに薬を飲み続けないといけない。
ドンジュは責任を感じ、ギョンイルの治療費を払うために警察官になった。
選手時代の国家代表のスーツを着てきたドンジュに対し、オコーチは「お前に国旗を背負う資格があるのか?」とバカにする。
<過去>
当時、英雄で大人気だったドンジュだが、お金に関して無欲で、数々の投資話や契約をすべて断り、金メダルを取って引退する覚悟を決めていた。
オコーチは、ドンジュを総合格闘技に行かせてガッポリ稼ぐ野望を抱いていたが、それも台無しに。
そして有言実行、ドンジュは金メダルを取った。
華々しい会見では、治療中のギョンイルと母に「これからは全て任せて!」と呼びかけた。
しかし、ドンジュは、試合後のドーピング検査で陽性判定を受けてしまう。
“グッドボーイ”と称えられた英雄の座からドン底へと転落してしまった。
あくまでも許可された鎮痛剤で、実力で取った金メダルだと主張するドンジュ。
そこから2年間という長い年月とたくさんのお金をかけて訴訟を起こし、勝訴。
ドンジュの主張は認められたのだが、世間の興味はすでにドンジュにはなかった。
「お前が裁判に勝ったことなど、誰も知らないぞ〜」とドンジュを侮辱してあざ笑うオコーチ。
ドンジュは「僕にはお金より重要なんだ」とキッパリ言ってその場を去った。
その様子を見ていたハンナも席を立ち、パーティーを出て、ドンジュを追いかけた。
むしゃくしゃしているドンジュは、パーティー会場の外にある弾幕をパンチして八つ当たり。
ヘボパンチだった。
そこへハンナがやって来て「よく(そんなパンチで)金メダルを取れたものね!八つ当たりしないで(実力で取った金メダルだという証を)見せてよ!バカみたい!」と吐き捨てる。
……ドンジュは発破を掛けられた。
「お前に国旗を背負う資格があるのか?」というオコーチの言葉。
「特別採用のくせに警察官を名乗るな!」という同僚警察官の言葉。
そしてトドメのハンナの言葉。
気合の入ったドンジュは、翌朝からジョギングをスタート。
体を鍛え直した。
「俺がどんな男か見せてやる!」と意気込むドンジュ。
ドンジュの証言を元に捜査したのだが、轢き逃げをした車は不正に輸入されたもので、照会もできないし防犯カメラにも映っていないため特定できず、お手上げ状態だった。
しかし、ドンジュはあの車に見覚えが合った。
そして長いこと考えてやっと思い出した。
それは“金ウサギ組検挙作戦”の資料だった。
マンシクの愛車が見つかった。
しかし、プロの窃盗集団による犯行で、使える部品は外されて外国に売り飛ばされてしまった。
ガックシ肩を落とすと共に、ドンジュに怒りが再燃。。
ドンジュは、昼休み、みんなが出払った隙に、こっそりと広域捜査隊アン・デヨンチーム長の席から“金ウサギ組検挙作戦”のファイルを拝借。
密輸関連のページを見てみると…ビンゴ!
あの轢き逃げをした車の写真と記述があった。
そこへマンシクが通りかかり、コソコソやってるドンジュを見つけ、「何やってるんだ!」と怒って近付いてきた。
ドンジュが理由を話していると、昼休みが終わり、アン・デヨンが戻ってきてしまった。
ドンジュは急いで該当ページを抜き取り、ファイルを元に戻した。
そしてマンシクがなんとか誤魔化して事なきを得ず。
ドンジュはマンシクを医務室に連れ込み事情を話す。
「轢き逃げ犯を捕まえましょう!」と意気込み、パンツを下ろし、マンシクにお尻を見せた。
ドンジュのお尻にくっきりと残ったアザ。
それはあの車のバンパーの形そのものだった。
韓国に1台しかない車であるため、轢き逃げ犯を捕まえれば、金ウサギに繋がる可能性も高い。
金ウサギが取引した密輸品リストにこの車の記述があるのだが、買い主が空欄になっている。
このことから金ウサギと轢き逃げ犯が親密な関係なのではないかと推測するドンジュ。
そうだとしても、2人でどうやって捕まえるのか。
無鉄砲で無謀な話であるため、乗ってこないマンシク。
しかも、もうすでに金ウサギはどこかへ逃亡してしまっているだろうと推測。
その頃、金ウサギは、用意してもらった船で逃げようとしていた。
しかし、さらに上の立場の人物から電話がかかってきて、仕事を与えられ、逃亡ならず。
ハンナは証拠品の整理をしていた。
上司から残業を言い渡され、うんざりしながらも仕事をこなす。
そして、被害者の遺留品を家族に届けなければならない。
その遺留品は、轢き逃げの被害者イ・ジンスのものだった。
イ・ジンスは亡くなってしまった。
ドンジュも病院に駆けつけ、悲しみに打ちひしがれる家族に胸を痛める。
すると電話が掛かってきて、急いでどこかへ立ち去った。
ドンジュとは入れ違いで、遺留品を家族に渡すためハンナも病院へやって来た。
しかし、悲しみに暮れる家族に遺留品を渡せず、そのまま引き帰した。
ジョンヒョンは、金ウサギのパシリ要員ポンダリの張り込み時に起こった爆発の映像を見直したり、この事件を調べていた。
そこで何かに気付いた。
ドンジュは、何者かから電話で「轢き逃げ犯の情報を渡すからキヒョン洞まで来い」と言われ、マンシクのバイクを拝借し、急いで向かった。
マンシクはドンジュから電話で事情を聞くが、いたずらだと信じなかった。
そして、車も盗まれバイクも進まれ、移動の足がなくなってしまったマンシクは、駐車場で地団駄踏む。。
すると、マンシクを探していたジョンヒョンがやって来た。
ジョンヒョンによると、
“金ウサギ検挙作戦”の現場で起こった爆発の5分前に、非通知から消防に通報があった。
つまり、内部から作戦の情報が漏れていた可能性があるということだ。
さらに、轢き逃げの被害者である関税庁のイ・ジンスは、密輸品の情報提供者だったことが分かった。
マンシクはそれらの情報を得て、さらに調べてみることにした。
しかし、ドンジュへの怒りが収まらない。。
そこへ、“質店の店長”から電話がかかってくる。
ドンジュがチャンピオンベルトやメダルを売った質店の店長だ。
質店店長は「銀ウサギが動いた。構成員を集めて出張に行くらしい。場所はキヒョン洞のペンキ工場。」という情報をくれた。
「キヒョン洞」…
ドンジュが向かっている場所だ。
ドンジュの話に信憑性が高まったため、マンシクは危険を感じた。
密輸品の情報提供者であるイ・ジンスの遺留品である手帳に、何か手がかりがあるのではないと考えたジョンヒョンは、遺留品対応を担当したハンナに電話をかける。
イ・ジンスの遺留品を家族に渡せず持ち帰ったハンナは、そんなことなど露知らず。
ジョンヒョンからの着信は復縁に関することだと思い、電話に出なかった。
ハンナがシャワーをしてビールを飲もうとしたその時、関税庁を名乗る人物がハンナの家にやって来た。
「イ・ジンスさんが書類を持って事故に遭い、その遺留品をお持ちだと聞きました。」と。
とても丁寧に説明する女性。
ハンナは警戒しつつも玄関に向かう。
すると激しくドアを叩く音、そしてドアチェーンの間から包丁を持った男の手が伸びてきた。
驚いたハンナはすぐにジョンヒョンに電話しつつ、遺留品を抱えて部屋に隠れた。
そして、ドアチェーンを壊して男たちが侵入。
ハンナはベッドに下に隠してあった射撃の銃を取り出す。
指定されたキヒョン洞のペンキ工場へやてきたドジュン。
閉じ込められたことが分かると、ポケットからバンテージを取り出す
マンシクはドンジュを救うため、柔道のトレーニング中であるアン・デヨンチーム長に協力を頼み込む。
アン・デヨンは特別採用に反対で、ドンジュたちを見下している。
さらにドンジュがファイルを盗み見たこともバレており、怒っている。
アン・デヨンは「僕に勝ったら協力する!」と言い、マンシクを背負投げた。
ハンナは目を閉じ、精神を集中させて、呼吸を整える。
そして、射撃の銃を構え、侵入者を待ち構えた。
ハンナの家まで車を飛ばしていたジョンヒョンだったが、危険運転をする赤い車に激突されてしまった。
さらにもう1台が追いかけて来たので必死に避け、相手を特定するために車を降りた。
その車から降りてきたチンピラ男の腕には蛇のタトゥー。
西部署のオチーム長の「いつか蛇に手を噛まれるぞ。」という言葉を思い出す。
数人のチンピラがジョンヒョンを取り囲み、ジョンヒョンは必死に逃げ出す。
偶然、近くの交通整理を行っていた交通課のジェホンが、この事故に気付き、走って現場に駆け寄る。
すると、以前から危険運転を繰り返し、子供たちを危険に晒している赤い車であることが分かった。
その車が、今度はジェホンに向かって走り来る。
ドンジュの前に現れたのは、前歯が金歯の金ウサギとその子分たち。
さらにそこには、前歯が銀歯に銀ウサギまで揃っていた。
ドンジュはバンテージを巻き、“正義”と書かれたマウスピースを口に入れる。
そして子分たちに突っ込み、その拳で次々に倒していく。
ハンナに発破を掛けられ、鍛え直した甲斐があったようだ。
ジョンヒョンは散々逃げ走り、相手を疲弊させた後、清掃員からホウキを拝借。
フェンシングのように、次々にチンピラを倒していった。
マンシクは、仕方ないのでレスリングで本気を出し、アン・デヨンをねじ伏せた。
ハンナは射撃の銃を男たちに向け、息を潜める。
そして、的確な銃の操作で男たちをビビらせた。
メガネを壊されたジョンヒョンは本気を出し、ホウキ一本で敵を一掃。
ハンナはナイフを持った男たちに苦戦し、激しい格闘となるが、舞うような軽やかな立ち居振る舞いと、的確で強力な射撃の腕前で、男たちを一掃した。
ドンジュは敵の数に苦戦するが、燃えたぎる不屈の闘争心と正義を拳に込め、敵を一掃した。
ジェホンは、向かい来る危険運転を繰り返す赤い車に向かって、マンホールの蓋を円盤投げのようにぶん投げた。
そしてマンホールの蓋が赤い車に直撃、横転させることに成功した。
ドンジュはボクシングで
ハンナは射撃で
ジョンヒョンはフェンシングで
マンシクはレスリングで
ジェホンは円盤投げで
それぞれ敵を倒した。
ドンジュ「聖火が消えると僕たちは忘れ去られる。だけど覚えておけ。僕たちの心臓は今も熱くはじけそうに高鳴っている。」