「ヒーローではないけれど」
各話のあらすじ ネタバレあり

第11話
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海の近くの民泊にダヘを見つけたギジュは、お互いに正直な胸の内を打ち明け、愛を伝えあい、キスをした。
イロンとヒョンテも海に着き、店で食事をしていると、ギジュがやって来た。
ギジュが2人前をテイクアウトしたことから、ダヘが生きていると分かったイロン。
ギジュは、13年前の火災からダヘを救い出すのが自分であること、そしてその際に命を落とすことを説明する。
「命を懸けてダヘを助け守る。ダヘに手を出すやつは誰だろうと命はないと思え。」とギジュ。
ギジュとダヘはポク家に戻った。
ギジュが死ぬと知ってしまったイナは、泣いていた。
ギジュが話しかけても、イナは部屋に閉じこもってしまう。
ギジュのために手を尽くしたダヘに感謝を伝える母マヌム。
ダヘは、まだ諦めておらず、ギジュの死から免れるために、また他の方法を探すと言う。
「火災から助けてくれた人の首には、ギジュにはない赤いアザがあった。マヌムが夢の中で手がかりを探せば…」とダヘ。
しかし、未来を変えることは不可能だと考えるマヌムは、「あれは夢じゃなかったの、呪いよ。」と答えた。
ドンヒモデル時代。
メインモデルに抜擢され、ファッションショーのフィナーレに立つ予定だった前日に、マヌムが「メインモデルが大ケガをしてショーは失敗する」という夢を見た。
ショーは、ドンヒの代役のモデルがランウェイで転び、花道から転落。
ドンヒのために用意されていた靴だったので、代役には合わなかったのだ。
「私が出てたら事故が起こらなかったはず。母さんの夢にひるまずショーに出ていたら?自分の手で未来を変えていたら?そんな考えが頭の中を回り続けて、何かを口に詰め込んでいないと耐えられなかった。予知夢に縛られないで。未来は変えられる。」
とドンヒはギジュを励ました。
マヌムは、ドンヒが女と取っ組み合いのケンカをする夢を見たと言う。
「恋人のジハンには、他に女がいる。ドンヒが寂しげに泣いていた。ドンヒの夢を潰した上に、切望していた結婚の邪魔をすることになるので言えない。もう夢は見たくない。私が見たの未来じゃない!子供たちを地獄へ追いやる呪いだった!」とマヌム。
部屋に閉じこもったイナに様子を見に行くダヘ。
イナは「呪われてる…お母さんは私の誕生日に…父さんは私が生まれた時間に…誰の目も見ちゃいけなかったんだ…もう見たくない…」と泣いた。
ダヘは「確かに呪われてるわね。誰もが欲しがるものを持って生まれたのに。感謝するどころか、バレないようい独り占めしようと。怖がってばかりでろくに発揮もできず、挫折する呪い。その呪い、私が解く。おばあちゃんが見た未来は私が変える。お父さんも助ける。」とイナに誓った。
ドンヒとジハンは新居の内覧。
ドンヒは気が乗らない様子。
ジハンには、別に女がいた。
ダヘは、2人の密会写真を盗撮し、ジハンに送り付け、接触した。
ダヘ「ポク家の一員になるなら覚悟して。あの家には秘密がある。あの家族は超能力一家よ。義母は未来、義弟は過去、姪は心の中を見る。彼女は空から見下ろす。だから、あなたがどこで何をしようとも、何もかも見透かされるってこと。結婚は諦めて。それが身のため。」
ジハン「またとない逆玉のチャンスを手放せと?これくらいは投資のうちだ。望みは何だいくら欲しいんだ!?」
ダヘ「2億。式が始まる前までに用意しなければ、さっきの写真を式場のスクリーンに映してあげる。」
怒ったジハンがダヘに掴みかかると、ヒョンテが現れて、ジハンを取り押さえた。
ダヘ「結婚は諦めて。簡単でしょ?」
ヒョンテはダヘを連れ戻しに来たのだが、「13年前に死ぬ運命だったの、もう十分生きたよ。邪魔だけはしないで。」と言い残して立ち去った。
ドンヒは過食が再発。
「飛べないくせに、また食べてる罪人」と自分で自分のことを卑下するドンヒ。
ギジュはそんなドンヒに、「もともと細くはなかった。小学生の頃、俺の記憶では、あの時が一番輝いてた。俺が小学校の時、入院したのを覚えてる?」と言って消えた。
ギジュは小学生の入院時の過去に戻る。
能力が覚醒した当時のギジュは、バイクに轢かれた犬を助けると言って、何日も飲まず食わずで過去を彷徨って栄養失調になった。
入院中、食事を食べたくないと言い張るギジュだったが、ぽっちゃりしたドンヒがあまりにも美味しそうに食べるもんで、ギジュも食欲が湧いたのだ。
「姉さんが食べてるのを見ると僕も食べたくなる。食べてる姿をテレビで流したら、みんな食欲が湧いて元気になる。」とギジュ。
現在に戻ってきたギジュ。
「小学生のドンヒは可愛かった。あれが本来の姿。自由自在に飛んでた。体重の問題じゃない。あの頃の姉さんは幸せだった。一緒にいて俺も幸せだった。」と元気づけた。
ドンヒは「小学生の時より今の方が細いのに、あんなに愛していた人と結婚するのに、なんで幸せじゃないの?」と聞く。
ギジュ「自分でも分かってるんじゃないの?“愛してた人”と過去形だ。」と言った。
ジハンは、要求通りの金額をダヘの元へ持ってきた。
本当に用意したのかと驚くダヘ。
そこへグレースが現れた。
グレースは夜中にドンヒを呼び出し、2人でドンヒの新居へやって来た。
新居ではジハンが別の女と浮気していた。
ジハンはドアが開く音に驚き、女を隠す。
グレースは部屋をウロウロし、クローゼットに隠れていた女を発見。
観念してドンヒに跪くジハン。
しかし、ドンヒは心が決まった。
「結婚する理由はお金だけ?私にはお金以外に魅力がないって知ってた。それでもあなたが私を欲し愛してくれれば自分を愛せると思った。手遅れね。私を“かわいい”と言ってくれる人もできた。私たちの間に残ってるのは金銭問題だけ。開業資金ぐらいは返して。」
そこにダヘが現れた。
「受け取りました。義姉さんの代わりに。」とダヘ。
ジハンは「金を返せ!」と追いかけまわし、グレースとダヘはお金の入ったバッグをパスし合う。
それでもしつこく追いかけ回すジハンとグレースは揉み合いになり、グレースは勢い余って、階下へ落ちてしまった。
ここは高層階、絶体絶命の危機。
すると、ドンヒは窓から飛び降り、グレースをキャッチ!
そして、飛んだ!!
驚きと感動で悲鳴を上げるグレース。
2人は無事に部屋に舞い降りた。
マヌムが夢で見た“女と取っ組み合いのケンカ”とはこれのことで、ドンヒの涙は嬉し涙だったのだ。
「マヌムが夢で見たものが全てではない。」
そう確信したダヘ。
ダヘ、ドンヒ、グレースは、共に抱き合い、涙を流して喜びあった。
ダヘは「奥様の夢は確かに予知夢。夢のおかげで対策できたから不幸を免れた。ただ待つのではなく、夢を現実にする準備をしたから。夢は変えられなくても、どう受けとるかは選べる。夢で見たのが全てとは限らない。怖くて目を背けたから見逃したのかも。だから奥様は夢を見続けて。ギジュは助かる。」とマヌムに語った。
スングンは「マヌムの夢が救世主を連れて来てくれた。」と喜ぶ。
マヌムは「ちょっと不愉快だわ。ドンヒはお義姉さん、スングンはお義父さん、なぜ私だけ奥様なの?」と愚痴を漏らす。
ダヘは「すいません、お義母様。」と言った。
笑顔のマヌム。
その会話を聞いていたイナも笑った。
ギジュはイナを連れて、閉園30分前の遊園地に駆け込んだ。
そしてイナが大好きな綿あめを買い、話した。
ギジュ「終わりのようでも常に次がある。イナが生まれた時間から全てが始まるんだ。お父さんがダヘを救い、ダヘが俺たちを救う。全てイナのおかげだ。俺の幸せな時間で皆が幸せになれる。心が読めるのは悲しくて苦しいはず。自分だけに見えるのは寂しくて、怖いよな。俺も最初は呪われてると思った。何も見たくなかった。でもそのうち本当に何も見えなくなった。目の前にいるお前を見たくても見られなかった。だから逃げるな。俺も逃げない。イナが生まれた時間は人生で一番の贈り物だ。俺は逃げずに受け取るつもりだ。大切にする。」
涙をポロポロこぼしながら、イナは「次はもっと早く来よう。次はおばさんも一緒に。次はチュロス〜。」と言った。
“宮殿サウナ”にマヌムがやって来た。
イロンは、「裏切って出ていったダヘをひどい目に合わせよう」とか、「ポク一家潰してやろう」とか、そういう悪巧みをしているのかと思いきや、そうではなかった。
ダヘを助けて、ダヘに幸せになってほしかったのだ。
それで、ジハンの一件を手助けした。
イロンとダヘは2人きりで話す。
イロンは「私にとってあんたがいないのが、何より酷だった。うちの娘。生きててくれてよかった。」
イロンはダヘを抱きしめた。
マヌムがかつて見た予知夢
「イロンが大人になった娘を泣きながら抱きしめてた。“生きててくれてよかった”と。」
これが現実になった。
マヌムはその様子を見て微笑んだ。
イロン「私みたいな人間を“お母さん”と呼んでくれて感謝してる。最後まで家族になってやれず申し訳ない。あんたに本当の家族ができて嬉しいよ。言ったでしょ。ダヘとギジュの幸せを心から祈ってると。幸せにね。すべてかカネになるんだ、金の卵を生みまくってお幸せにね。今までご苦労さん。」と言って、2人は涙を流して抱き合った。
ポク家では、ギジュが家族に手料理を振る舞う。
幸せな家族団らんの時間を過ごした。
イナがダンスクラブで、ジュヌと一緒にダンスをする。
「熱心だな」というジュヌに、イナは「上手にできなくても、一生懸命頑張ってる姿を見て欲しい人がいる。私にもいい友達がいるところも見せたい。もう透明人間じゃないって。」と答えた。
ギジュとダヘは2人で焼き肉。
ダヘには未来ギジュがいるのが見えた。
マヌムは、何度も火の夢を見続けていた。
スングンは昔の音楽をかけて、マヌムとダンスを踊った。
その様子を見たギジュは、家族が笑顔いっぱいだった過去に戻り、その景色を胸に刻んだ。
公園でピクニック。
両親は踊り、お弁当を頬張るドンヒ、シャボン玉を吹くギジュ。
未来ギジュは、ふと、横を走り去る少女を見かける。
追いかけると、それは少女の頃のダヘだった。
親がおらず、自転車の乗り方を教えてもらえないダヘは、友達からバカにされ置いてけぼりに。
未来ギジュは、ダヘ少女が自転車が乗れるように、そっと手助けした。
その時、木の枝が首に触れ、ギジュの首に傷ができた。
戻ってきたギジュは傷を隠して、幸せな食卓についた…