「損するのは嫌だから」
各話のあらすじ ネタバレあり
第5話
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認知症のヘヨン母が入院するテソン療養施設の、そのすぐ近くにあるテソンアパートに住んでいるジウク。
ジウクの元に1人の男が訪ねて来た。
男「チョン・ユギョンさんのご子息ですよね?」
ジウク「人違いです。僕の母はキム・グムドクです。8年前に亡くなった。」
男「あなたの生みの母はチョン・ユギョンさんですね?」
男は1枚の家族写真を見せた。
ジウク「何者だ?」
男「カナダで人望の厚い牧師の奥様に隠し子がいると知れたら?私が誰かより、どうすればこの仲睦まじい家庭を守れるのか聞くべきです。」
ジウク「僕を捨てた女の家庭がどうなろうと関係ない。」
男「その言葉が本心かは、いずれ分るはず。」
ジウク「何が望みだ?」
男「クルビ教育に入社してください。」
驚くジウク。
言いなりになってはダメだと思いつつ、「母に迷惑をかけるな」という祖母との約束を守るため、ジウクは仕方なくクルビ教育に入社した。
そして入社1日目、会社のロビーでヘヨンと再会したのだ。
少し前
ジウクは、ヘヨン母の施設に足繫く通い、甲斐甲斐しく世話をしていた。
「大丈夫、心配しないで。おかあさんとの約束は守るから。」と声をかけるジウク。
新入社員ジウクを見かけたイリンは、カナダにいる(ことになっている)ヘヨンの旦那ジウクに似てると勘づく。
焦るヘヨンは笑って胡麻化した。
ヘヨンは急遽、新入社員のOJT指導担当をすることに。
もちろんそこにはジウクもいる。
ヘヨンの様子から、かなり怒っていると分かったジウクは顔が引きつる。
ジウクは隙を見て、事情を話そうとヘヨンを非常階段へと連れ出した。
怒っているヘヨンの口には大好物のパンパングミを放り込んで。
ジウクは「詳しくは言えないが、事情があって仕方なくここにいる。」と言うが、ヘヨンはそんなことより「今までどこにいたの?なぜ音信不通に?何度も連絡したのに!」と姿を消した理由を真っ先に質問攻め。
ジウクは微笑んだ。
まるでジウクに会いたかったみたいで。
ヘヨンは「これからどうするのよ~。誰か覚えてるはずよ~。」とうなだれる。
ジウクは「気を付けるし、誰も覚えてないはず。」と隠し通すことを約束。
ヘヨンは「もしバレたら、今度は偽造じゃなく本当に式をあげる。あなたの”葬式”をね!」と凄み、ジウクの前髪をぴっちり七三分けにしてやった。
こうして2人は、周囲に絶対バレぬよう細心の注意を払いながら、同じ会社で過ごすこととなった。
トッポギデートしているジャヨンとハジュン。
ハジュンは、「仕事に行き詰まったらいつでも声かけて。トッポギなら毎日でも奢ってあげられる。いや、たまにはトンカツにしよう。トンカツを食べるといいことが起きるんだ。」と話す。
うれしいジャヨンは”食べるといいことが起きるトンカツ”で想像が膨らみ、アイディアをメモ。
「社長のお品書き」に出てくる社長のモデルは何を隠そうハジュン。
主人公はもちろんジャヨンで、2人のラブロマンス官能小説なのだ。
妄想にニヤけてしまうジャヨン。
デート中にも関わらず、キュヒョンから電話がかかって来で「今日会っている高校の同級生の職業は何だ?」と聞いてくる。
ハジュンは「童話作家の卵です。」と答える。
キュヒョンは、訴訟の相手であるヨン・ボラ先生が、すべてを知ってて脅迫や仕返しのために近づいて来たんだと考え、怯えている。
クルビ教育では新入社員の研修が始まり、ヘヨンは新入社員たちの評価を査定する立場に置かれる。
その成績上位10人が本社への勤務となり、それ以外は支店へと配属になる。
ヘヨンは、ジウクが本社勤務になっては困るので、わざと悪い評価をつけて支店に行かせようと企む。
クルビ教育の体験イベント。
公園でブースを設営し、子供たちやその母親に向けて、体験教室を行う。
ジウクには、着ぐるみを着て子供たちの相手をする係にし、契約数を伸ばせないよう仕組んだ。
しかし、休憩で着ぐるみを取り、汗をかいて水を飲むジウクの姿があまりにもイケメンで、ヘヨンや他の新入社員だけでなく、遊んでいた子供たち母親までもがジウクに釘付けになった。
その結果、ジウクにうっとりの母親たちがみんな契約を締結。
ジウクの成績は、ヘヨンの企みとは反対に無双状態となってしまい、ヘヨンの企みは泡と化す。
そんな中、ヘヨンは公園で一人で遊ぶシホという名の男の子に気が付き、声をかける。
着ている服は成長に伴っておらず小さく、体にはたくさんのアザがある。
ヘヨンはアザの数に驚きつつもうまく会話を促し、そのアザの写真を撮った。
明らかに虐待によるものである。
すると、その様子を見かけた父親がやって来て、ヘヨンに写真を消せと言ってきた。
ヘヨンは父親に虐待であることを伝え通報しようとすると、父親はヘヨンに暴力を振るった。
父親は倒れたヘヨンに馬乗りになり、携帯を取り上げようと殴ろうとする。
そこへジウク登場。
父親の腕を掴みんで止めた。
そして2人は殴り合い、ジウクが馬乗りになって父親を殴り続けた。
しかし、「子供が見ているから!」とヘヨンはそれを止めた。
「どうしてお父さんを殴るの!お父さんを殴らないで!」と泣き叫ぶシホ。
ジウクは手を止めた。
声優のヒソンは声優採用試験を受ける。
仕事があまりないため、これに受からないと困ってしまう。
彼氏でプロデューサーのユンPDは、「この12年で培った実力を発揮して必ず受かるよ!」と励ます。
実はヒソンが採用試験に受かったら結婚しようと約束していた2人。
しかしこの10年、それが叶わず。
ユンPDはこの試験が受かったら結婚しようと、改めてヒソンにプロポーズした。
浮かない表情のヒソン。
ヘヨンとジウク、そしてシホの父親は警察で聴取を受けている。
父親は「親の同意なく子の写真を撮るのは人権侵害だ!」と騒ぎ立てる。
ヘヨンは「子供を殴っておいて何が人権よ!」とブチギレ。
ジウクは「このアマ!」とヘヨンを侮辱する父親にブチギレ。
父親はそんな2人に「示談にできなきゃ、お前ら全員前科がつくぞ。俺は自営業だからいいが、会社員のお前たちはどうなるか。」と脅してくる。
しかし、こんな脅しでおとなしくなるヘヨンではない。
「どうせ前科が付くなら、もっと重罪にしてやる!」と言って、パイプ椅子を持ち上げて殴ろうとした。
それはさすがに…必死に止めるジウク。
幼稚園児の娘を連れた、クルビ教育法務チームのカン弁護士登場。
カン弁護士はヘヨンとジウクを弁護すると申し出て、うまく話を片づけてくれた。
しかし、ヘヨンが気になるのは虐待を受けいてるシホのこと。
何とかできないかと聞くヘヨンに、業務外であるし、シホ自身が父親から虐待を受けていると受け止めていない以上、何も動けないというカン弁護士。
「教育の目的は成績向上ではない、子供に自らを守る鎧を着せることだ。クルビは最も丈夫で温かい鎧の材料だ。」
これはキュヒョン社長の就任スピーチだ。
ヘヨンはこれを暗記しており、「信念は不変かと思います」と言い、アザの写真をカン弁護士に見せた。
カン弁護士も子供の親であり、アザの写真を見て何も思わないわけがない。
写真を自分に送るように言い、キュヒョン社長に報告して手立てを考えると言ってくれた。
警察署からの帰り、バスを待つ間、ヘヨンはジウクの顔に負った怪我の手当て。
せっかくのイケメンに傷が残っては大変。
しかしヘヨンの手首に傷を見つけたジウクは、逆にそちらの手当てを始めた。
ヘヨンは喧嘩が強いかったジウクにその秘訣を聞いた。
ジウクは「1人でも強く生きろ」と祖母から殴られて育ったと言い、顔色が変わるヘヨン。
ヘヨンは、里親をしていた母の影響で、虐待を受けていた子供をたくさん見て来た。
そのため、そういう子供に敏感で、すぐに分かるのだ。
ヘヨンは、そんな話をジウクに打ち明けた。
ジウクは「お母さんにおかげだ。お母さんはいい人です。」と言った。
ヘヨンは「他人にはね…」と答えた。
そして来たバスに乗って帰って行った。
ジウクはヘヨンを見送った。
その後、またあの男がジウクの元へ。
男はジウクを車に乗せ、高級マンションの高層階の1室へとやって来た。
男はジウクにここで暮らすように言った。
クルビ教育には実力で入社したとはいえ、就職と住居、さらに車とクレジットカードまで用意してくれるこの男。
見返りは何なのかと気になるが、「会社に定時に出社し、誠実に勤務を。」と言う。
突然現れて脅迫してくる悪いヤツかと思ったが、なんだか事情は分からないが、色々と世話をしてくれるいい人だった。
プロポーズされたヒソンだったが、実は結婚したくなかった。
彼のことは愛している、彼を待たせるのも申し訳ない。
でも結婚はしたくない。
結婚はゴールなのか?恋だけしていくわけにはいかないものか…。
キュヒョンの家では、カン弁護士も含めて話し合いが行われていた。
キュヒョンは、ある書類にサインをするようにポク会長に言われる。
それは、中傷コメントによって訴えられているキュヒョンに対して、もし刑事罰を受けた場合は、社長解任、いっさいの相続の放棄など、キュヒョンを見捨てる旨の覚書だった。
きちんと事態を収拾し、解決するというキュヒョンをまったく信用していないポク会長。
キュヒョンは仕方なくサインしようとすると、ずっと黙って聞いていた母ジョンアが口を開く。
ジョンアはカン弁護士に「別の覚書を作って。”ポク・キホは会社の名を汚した場合、会長職を辞し、全財産を妻ソン・ジョンアに贈与する。”とね。」と言った。
キュヒョンに対して偉そうに振る舞っていたポク会長は、縮こまってしまう。
ソヨンの新事業部に2人の新入社員が入ってくる。
1人はジウクだった。
愕然とするヘヨン。
ジャヨンは警察署で中傷コメントの件で報告を受ける。
コメントのほとんどが侮辱罪であるが、1つの投稿では名誉毀損罪にあたる可能性があるという。
後者のほうがより重い罪だが、事実かどうかで罪が変わってくるという。
ジャヨンはそのコメントに体が固まる。
警察からの帰り、ジャヨンはキュヒョンに遭遇。
送られたキュヒョンの謝罪文をぶん投げて、怒りをぶつける。
ジャヨン「手書きの謝罪文で私への殺意が許されると!?」
キュヒョン「殺意だなんて、そこまでじゃない」
ジャヨン「そこまで?死なない程度に傷ついてほしかった?お望み通りに傷ついた私に、今度は許せと?絶対に善処はしません。」
キュヒョン「どうぞお好きに。善処は望みません。でも謝罪文は僕の本心です。心から反省し、心から謝りたかったんです。信じてもらえるなら、どんなことでも…」
ジャヨン「死んで!私に100回以上言ったでしょ!その度に、私は死ぬべきなのか考えた!あなたも考えてみて、生きてていいのか。」
キュヒョンは何も言えずに呆然とし、ぶん投げられた謝罪文の紙を拾い集めた。
道路に飛んでいった1枚を拾おうとした時、トラックに轢かれそうになってしまう。
何とかトラックがハンドルを切り、キュヒョンは無事だったが、それを見たジャヨンは悲鳴を上げ、ショックで意識を失い倒れてしまった。
キュヒョンは、日頃の筋トレの成果を発揮。
ジャヨンをお姫様抱っこして病院へ走った。
ヘヨンたち新事業部は、新入りの歓迎会。
ヘヨンはやけ酒食らって、カラオケを歌いまくり。
解散後、ジウクは2人の関係をいっそ公表してもいいのではないかと言った。
ヘヨンは大反対。
「”誰々の妻”と言われるのは嫌。”ソンチーム長”でいたい。」と答えた。
(★)もし、夫が朝食を抜けば妻のせい、夫がみすぼらしい格好でも妻のせい、仕事でミスをすれば妻のせい。
「あなたはいつ爆発するかわからない爆弾なの。私は注目の部署で輝かしい成功を収めたいのに、時限爆弾を抱えてる。」と言うヘヨン。(★)
タクシーの中で、ジウクはヘヨンの言葉をしばし考えて反省し、ヘヨンの立場を考えていない発言に謝罪。
「僕はそんな状況でも再開できてうれしかった…」と言う。
しかしヘヨンは隣で酔い潰れて寝ていた。
ヘヨンの家に着くと、門の前にウジェが酔って座り込んで寝ていた。
呼んでもまったく起きない。
ウジェはため息をついて、ウジェの携帯から妻イリンに電話しようとした。
ヘヨンは止めた。
過去に付き合っていたという関係性を知られてしまうからだ。
しかし、ジウクとしては、既婚の元カノに酔って会いに行くというウジェのこの醜態を、妻イリンは知るべきだと言った。
ヘヨンは何かとジウクを庇い、そんな必要はないと言う。
「庇ってるんじゃなくて、人の家庭に関わりたくないの。」と言うヘヨン。
ジウクは不機嫌。ヤキモチ…?
「ウジェに未練があるのか」と聞いた。
ヘヨンは「そう見える?それなら、そう思ったまま帰って。未練があってもなくても、あなたには関係ない。私の感情にあなたの理解や許しは必要ない。これは私の問題。自分でなんとかするから気にせず帰って。」とジウクを突き放すように言った。
おもしろくないジウクは一旦立ち去るが、また戻ってきてウジェを担ぐのを手伝った。
翌日、出勤したヘヨンは、人事部から呼び出される。
何事かとビクビクしていると、新入社員ジウクへのパワハラの調査だという。
実は、昨夜、ヘヨンとジウクの会話(★)を、もう一人の新入社員のキウンがすべて聞いていて、パワハラだと感じ、内部通報したのだ。
「つらかっただろ?勇気を出して通報したんだ。」と言うキウン。
ジウクはそれを聞いて、調査会が行われている部屋へと走った。
「明らかな言葉の暴力。場合に降格処分や職務からの除外もあり得うる」と言われてしまった。
そこへジウク登場。
ジウクはヘヨンの手を握り、「僕は被害者ではなく、夫です。」と言い切った。
「あーーーー言ってしまった…」の顔のヘヨン。