「悪魔なカノジョは裁判官」
各話のあらすじ ネタバレあり
第10話
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<少し前>ーー
ビンナに人間的な感情が芽生えて悪魔界を裏切っていること、そんなビンナをダオンが庇っていることを知ったアロンは、バエルを召喚。
下層階級のヴェナート(秘密警察)であるグレモリー(アロン)が悪魔界ナンバー2であるバエルを呼び出すことは異例なこと。
よほどの重要案件であることを示す。
グレモリー(アロン)は「ユースティティア様(ビンナ)を邪魔するハン・ダオンを殺してください。」と願った。
バエルは、部下であるパイモンにダオンを殺すように命じた。
パイモンは、犯人と格闘の末、刺されて死んでしまった刑事ムンジェの体に憑依して、ダオンの前に現れたのだった。
そして、動向を見張り、ダオンがビンナに好意を抱き、さらに庇っていることを確認した。
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ダオンは同僚のムンジェに「好きな人を庇っているのでは?」と疑われ、さらに脅されたことをビンナに報告。
うかつだったと謝罪した。
ビンナは、そのムンジェが自分に会いたがっていると聞き、実際に会うことにした。
刑事ムンジェとして、ビンナの前に現れた悪魔パイモン。
パイモンだとは気づかないビンナは、これ以上ダオンを脅すなと牽制した。
ビンナ裁判官は、いつも通り、ソノに懲役2年執行猶予4年と軽い判決を下す。
ソヨンの死の直前の光景にソノがいたことから、J連続殺人事件の犯人だと考えられるため、ソノを殺して地獄へ送れば、ビンナは任務完了となり地獄に戻れる。
しかし、ビンナは保留にした。
いつもとは違って慎重なビンナは、アロンに、「ダオンには手を出すな」と警告した。
アロンはそんなビンナに呆れた。
ビンナはオミジャにどうやってダオンを守ればいいのか聞いた。
もし任務完了となり、ビンナガ地獄へもどった後、ダオンはどうなるのか。
まともに教えてくれないオミジャに苛立ち、強い口調で責め立てる。
その様子をはたから見ると、まるで若者が老人をイジメているように見え、周囲の人に怒られてしまったビンナ。
オミジャは、しおらしい老婆に芝居をして、してやったりの顔。
ビンナは、以前、レストランでダオンと食事中、ソヨンの死を茶化した人たちに対して怒り、携帯を壊した件を記事にされてしまった。
さらに、その人たち訴えられたのだが、チョン・ジェゴル議員が手を回し、記事も訴訟も取り下げされた。
裁判所長は、ビンナに1ヶ月の停職を命じた。
「もっと休みたい」とつぶやくビンナ。
時間ができたビンナは、ダオンとマンドと共に、J連続殺人事件について調査を進めた。
<J連続殺人事件>
ソヨンを入れて計13人を殺して逃走中の犯人は、現場に“J”の文字を残すことからJ連続殺人事件と呼ばれる。
目撃者は皆、殺され、唯一、ダオンだけは生き残っている。
Jは、殺害した被害者ごとに違う部位を切断している。
このことから、ビンナはサタンの存在を思い出す。
<サタン>
26年前、地獄で反乱を起こした悪魔サタン。
ルシファー様の宝であるカエルムを盗み、地上へ逃走。
その後、サタンとかエルムは姿を消し、今は誰かの体に憑依して生きているとされている。
その憑依した体が死んだらサタンも死ぬことになる。
永遠に生きるためには、
・善人たちの異なる体の部位
・カエルム
が必要だということだ。
つまり、サタンがJの体に憑依して殺人を繰り返している可能性があるのだ。
ノボン警察署のドンフンとウンソプは、ビンナが疑わしいのだが、何一つ証拠がないため頭を抱える。
初心に戻り、ビンナが刺された事件から洗い直すことにした。
ビンナが刺された事件、目撃者もなく、防犯カメラもない。
ウンソプは、チョン・ジェゴル議員の一家と関連してる可能性があるのでなはいかと考えた。
さらに、ビンナの記事を書くチョ・アラン記者と会って話を聞くことにした。
ヨンジェの殺害現場近くの監視カメラにビンナの車が映り込んでいた。
ムンジェはその映像を元に、ダオンを挑発。
「人間は自身の目的のために、どこまで悪になれるのか、ずっと気になってた。彼女を守るためにどこまでするのか。どうすれば俺の口を塞いで、この映像を奪えるかな?」と。
ビンナとダオンは、J連続殺人事件の被害者遺族たちを訪ね話を聞いて回る。
家族が殺されたのに、犯人は捕まらずに時効を迎え、遺族たちが抱える未だ消えることのない苦しみや怒りや悲しみを目の当たりにするビンナ。
やるせない気持ちに居た堪れなくなる。
今夜はコーラではなくビールをがぶ飲み。
死後、ソヨン班長が地獄にいるのかどうか調査しに行った清掃業者のジェヒョン。
ボロボロになって帰ってきた。
ビンナは書類を受け取り、それを開くと、読む前に粉々に消えてしまった。
アロンはマンドを連れてムンジェと落ち合う。
マンドは現れたムンジェ(パイモン)に恐れおののく。
ムンジェはマンドに重要な任務を命じた。
アロンは「ユースティティア様(ビンナ)は傷つけずダオンだけを殺してください。」と頼み込む。
しかし、バエルからは「ユースティティアは殺してもいい。お前がユースティティアに勝てればの話だがな。」と言われているパイモンは、ユースティティア(ビンナ)も殺す気満々だった。
ユースティティアとパイモンは、No.2であるバエルのポジションを狙うバチバチのライバル関係なのだ。
アロンの余計な報告のせいで、事態が大事になり深刻化してしまったことに嘆くマンド。
しかしアロンは、尊敬する高貴な悪魔ユースティティアが、汚い人間に墜落させられたと、ダオンに対して憎悪を抱いており、ダオンを殺すことだけしか頭になかった。
マンドは、これはビンナに対する裏切りであると考え、ビンナに報告すると息巻くが、イエス様を信じ、内緒で教会に通っていることをビンナにバラすと言われ、苦しい状況に立たされる。
テギュは再開発に反対しているファンチョンヴィラの大家ミョンスクの娘に会う。
そして、ヴィラを売るように説得を試みた。
娘は母ミョンスクの財産に興味はなく、説得に応じる気はなかったのだが、ファンチョン洞で起こった殺人事件(ソヨン班長の事件)を持ち出し、そんな場所に母親を1人で済ませるのは危険ではないかと訴えた。
その結果、娘は再開発の同意書を持ってミョンスクの家に行き、ヴィラを売って同居しようと提案した。
しかし、ミョンスクは、「ヴィラに住み続けなければいけないし、会わなければいけない人がいる」と提案を拒否。
娘は苛立ち、「兄さんと教会がすべてだものね!」と涙を浮かべて怒り、立ち去ってしまった。
帰宅したビンナとダオンは、泣きながら階段を降りてくるミョンスクの娘に遭遇。
階段から落ちそうになった娘を助けたビンナ。
2人はミョンスクの部屋を訪ねた。
実は、ミョンスクには娘の他にも息子イェチャンがいたのだが、25年前、J連続殺人事件で殺されてしまったのだ。
ミョンスクは、当時中学生だった最愛の息子を突然失い、精神的に壊れてしまった。
ミョンスクは1人、時が止まり、まだ幼い娘の世話もできなくなった。
一度は切り捨てた宗教だったが、ミョンスクは裸足で外を彷徨い、再び教会に足を踏み入れた。
そして教会に通い、祈り続けて今に至る。
息子の部屋は今もそのままにしてあり、施錠されていたのだが、ビンナとダオンと共に25年の時を経て、そのドアを開けた。
涙が止まらないミョンスク。
ファンチョンヴィラに居続ける理由は、犯人に会って聞くことがあるからだと言う。
ビンナとダオンは、被害者訪問の最後に、両親が殺害された現場であるダオンの実家にやって来た。
ビンナは居た堪れなくなり、ポロポロと涙を流す。
気丈に振る舞うダオンに対し、「どうして淡々としていられるの!?どうして泣かないの!?あんたなんか大嫌い!」と怒る。
調査の結果、ソヨンもダオンの家族も地獄にはおらず、天国に行ったことが分かっていた。
ダオンを地獄に行かせるわけにはいかない。
ビンナは自身の手でJを殺し、地獄に送ることを決意した。
ビンナは、釈放されてクラブで豪遊するソノの元へ行き、「お前はサタンだろ!?正体を表わせ!」と掴みかかる。
しかし、何のことかさっぱりわからず、ビンナにビビり倒して困惑するソノ、どう見てもサタンとは思えなかった。
ダオンはナイフを持ち、ムンジェを殺しに行こうと立ち上がると、ビンナから電話がかかってきた。
「助けて!場所はメールします!1人で来てください!」と言う。
声の主は、アロンとムンジェに脅されて嫌々やらされているマンドだった。
ダオンは騙され、おびき寄せられてしまった。
良心の呵責に苛まれたマンドは、教会に行き、牧師に罪を打ち明ける。
黙って聞いてくれていた牧師は「教会の扉はいつでも開いています」と言ってくれるが、マンドは「閉めてください。悪魔が入ってくるかも〜」と言って教会を出て行った。
マンドは待ち伏せしていたアロンに硫黄の粉(悪魔が喰らうと1時間は動けない)をかけて逃走。
ビンナとダオンの救済に走るのだが、手立てがない。
どうすればいいのか途方にくれた時、オミジャが現れた。
マンドは天使であるオミジャの協力を得て、クラブにいるビンナの元へたどり着いた。
マンドは、教会に通っていることを土下座して謝罪するが、ビンナはすでに知っていた。
怒るどころか、「ウソと裏切りは悪魔の必須条件。よくやった。」と褒められた。
拍子抜けするマンド。
そして大事な報告。
ダオンが危険だと。
ビンナは顔色を変え、マンドは持ってきた逃走服に着替えた。
ダオンは指定された廃墟にやって来た。
ビンナを必死に捜すが、そこにいたのはムンジェだった。
ムンジェは自身が悪魔であることを明かし、ビンナを殺したと告げた。
怒ったダオンはムンジェに殴りかかるが、まったく敵わない。
圧倒的なパワーで、ダオンはボコボコにやられてしまった。
万事休すかと思われた次に瞬間、ビンナが現れてムンジェを掴んでふっとばした。
ビンナはダオンに「じっとしてて」と言い残し、ムンジェとの激しい格闘を始める。
ダオンを傷つけられた怒りに満ち溢れるビンナは強く、早々にトドメを刺そうとしたのだが、「悪夢の中で死ぬがいい」とつぶやくムンジェの世界に引き込まれてしまった。
そこはダオンの両親が殺害された現場である実家。
そこでビンナはダオンに変身したムンジェに襲われる。
ダオンの偽物だと分かってはいるのだが、その外見に翻弄され、動揺し、なかなか本気が出せず、窮地に陥る。
すると、どこからともなく「カン・ビンナ!!」と呼ぶ声が聞こえた。
現実世界で満身創痍のダオンが、力を振り絞ってビンナを呼んだのだ。
するとビンナは現実世界に戻ることができた。
ビンナは、ムンジェが落とした剣をぶん投げて、ムンジェの胸にぶっ刺した。
ビンナは意識を失って倒れているダオンに駆け寄り、必死に起こす。
意識を戻したダオンに安堵したビンナは、ダオンに抱きついて涙を流す。
「これからは私だけ信じて…。私があなたを守る。」とビンナ。
帰ろうと立ち上がった2人の背後に忍び寄るムンジェ。
ダオンは咄嗟にビンナを庇い…