「ヒエラルキー」
各話のあらすじ ネタバレあり
第7話(最終回):Spring Time:切なくて甘くて短い、私たちの春
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<過去>
ウジンの誕生日会。
ウジンはパーティーを抜け出して、恋人で担任教師のハン・ジスと非常階段でキスしていた。
そこへ、パーティー会場でのいじめに耐えかねて逃げ出したカン・イナンが現れる。
2人の関係を見られてしまった。
焦る担任ジスは、絶対にバレたら困るため、必死にイナンを追いかけた。
いじめを見かねたジェイも、逃げ出したイナンを追いかけようとしていたが、リアンに止められる。
実はジェイは、つい先ほど、イナンに妊娠のことを相談していた。
ところが、イナンの胸ポケットにペン型カメラがあるのを見つけ、相談内容の一部始終を録画されていたのかと焦っていた。
逃げるイナン。
担任ジスは車でイナンを追いかけながら、イナンに電話をかけ「会って説明したいの!」と必死の説得を試みる。
イナンは「この学校は、先生も生徒もどうかしてます!追ってこないで!今ここで全て暴露します!」とパニック状態。
そしてハに電話をかけようとしたところで、車が激突。
イナンはフロントガラスにぶつかり、突き飛ばされ、死んでしまった。
道に落ちたイナンに携帯からは、様子がおかしいイナンの状態を心配するハの声。
バキバキになった車のフロントガラス。
車から降りてきたのは、担任ジスだった。
突然のことに理解が追いつかない担任ジス。
血だらけで倒れるイナンに近寄り、胸ポケットにペン型カメラを見つける。
すべて録画されていたのだ。
担任ジスは、イナンの携帯とペン型カメラを持ち、その場から立ち去ったのだった。
<現在>
ハは警察にすべてを通報した。
チュシン高校では、警察により事情聴取が行われる。
生徒たちはみんな無実・無関係を訴える中、ジェイだけは当事者であることを申し出た。
教室では、ハイクラスの生徒VSハと奨学生たちの争いが起こる。
ハイクラス「誰のおかげで学校に通えているのか?」「ずうずうしい」と。
奨学生たち「学費を払ってないから耐え忍べと?」「差別やいじめを当然視するな」と。
怒って暴れるユンソクに、「悪事を働いたお前がいけないんだ。」と言うハ。
殴りかかるユンソク。
そこへジェイが現れユンソクを制止。
「ハは何も間違ってない。奨学生たち、怖がらずに正直に証言するのよ。学校で受けた不当な扱いや数々のいじめをね。私たちの過ちを教えて欲しい。繰り返さないために。」
ジェイの勇気ある発言に黙るしかないハイクラスの生徒たち。
ハはトイレで居合わせたウジンに声をかける。
「あの日は誕生日会だったろ。うまく逃げたな。お前は動画に映ってない。覚悟しろ。本番はこれからだ。罪が正しく裁かれるのを、しっかり見届けてやる。」と。
ジェイは、学級委員ジュウォンに声をかけ、脅迫した理由を尋ねる。
ジュウォンは、教員でさえも財閥子女の言いなりになっているこの学校を、心底嫌っていた。
何かしてやりたいと思う反面、校長である母を大切に思っており、巻き込みたくはなかった。
そういったジュウォンの葛藤を、ジェイは見抜いていた。
うつむくジュウォン。
ヘラがジェイと仲直りしたと聞き、狼狽するウジン。
取り返しのつかないことをしてしまったと。
リアンの携帯にメッセージが届く。
動画の送信者は校長だと。
リアンは怒って校長室へ行き、問い詰める。
校長は、「チュシンの後継者であるリアンに対して、自分の一存でできることなどない。」と言った。
リアンは母ヘウォンの仕業だと察した。
リアンは母ヘウォンの元へ行き、問い詰める。
母ヘウォン「妊娠でもさせたら面倒なことになるから心配だったの。立場を自覚して!」
リアン「俺だって1人の人間なんだ!飼い犬じゃない!もう母さんには従わないよ!うんざりだ!いっそ父さんみたいに捨ててくれ!」
母ヘウォンはリアンをビンタした。
リアン「後継者の座は放棄できるはずだよな。」
母ヘウォン「あなたがすべてなのに、あんまりだわ…。私の息子であり、チュシンの主なの。この世の中心に据えてみせる。あなたは私の希望なの…。」
拳を握り、涙を流すリアン。
ハの住む街にやって来たジェイ。
アイスを持って、ハを待っていた。
2人は、以前来た公園のブランコへ。
ジェイは、これからハがしようとしているのは復讐ではなく、自分たちが受けるべき報いだと言う。
そういった、富裕層の偏った選民思想を正す人がおらず、自分たちの過ちにずっと気づけずにいた。
イナンを失う前に気づくべきだったのに。
ジェイは、気づけずにたこと、リアンを守ると身勝手を言ったことを謝罪した。
そしてその報いは甘んじて受けると言う。
それを聞いたハも、ジェイを苦しめてしまったことを謝罪した。
ジェイは、もうすぐ出国し、会長の長女として元気に暮らしていくと告げ、「首席で卒業して。」とハに言った。
別れ際、ハは「僕を好きだったことは?」と聞く。
「ないわ、一度も。」と答えるジェイ。
ハは「ウソだ…」と呟いた。
ジェイは、しばらくの時間ベッドで横になり、考えを整理した後、胎児のエコー写真をリアンに見せに行く。
涙が止まらないリアン。
ジェイは、思いを込めてエコー写真を川に流した。
ジェイはイナンのお墓参りにリアンを連れて行き、イナンの死と向き合わせた。
そして、ニューヨークへ行くまでの間、今までの間違いを正していこうと、リアンに告げた。
そして「私たちは今、罰を受けてるんだと思う。“犯した過ちへの報い”、そんな気がしてる。人を深く傷つけたもの、私たち。だから甘んじて受けることにしよう、この罰を。」と言った。
学校では、担任ハン・ジスがウジンとイチャイチャしながら酒を飲む動画が見つかり、校長にバレてしまった。
ウジンのご両親の意向で大ごとにはならないが、すぐに退職届を提出するように言われる。
校長は「財閥の方の寛大な処置に感謝してください。その寛大さの裏にあるものをお忘れなく。」と言って航空券を渡した。
ウジンが関わっていなければ、今頃ジスは轢き逃げで逮捕されていたわけなので、一切を口外しないよう忠告される。
リアン、ジェイ、ヘラ、ウジンは、また集まって会話をするようになった。
しかし様子がおかしいウジン。
それもそのはず、大好きなヘラの復讐を手伝うため、大好きなヘラがジェイの退学を望んでると思い、ジェイの写真を使い「外国送りにしないと、渡米の理由をバラす」とジェイ父ギヨンを脅迫したからだ。
ところが、直後にジェイとヘラは仲直り。
ジェイがニューヨークに行かなければならないのは、ハの通報ではなく、ウジンのせいなのだから。
居たたまれなくなったウジンは席を外す。
ヘラはそんなウジンに気が付き話を聞きに行く。
ジェイのかつての渡米の理由が妊娠だと知り、驚きと共に怒り出すヘラ。
ヘラはウジンに掴みかかり、「なんてことを!脅迫するなんて、いくらなんでもやりすぎだ!」と責め立てる。
ウジンは「お前が選べって言ったから!俺はヘラを選んだ!」と返す。
ヘラ「友情を守りたければこれは秘密よ!」
そのやり取りを、担任ジスが見かける。
ウジンは離れ、一方的にクビを勧告され苛立っている担任ジスは、2人に向かって車で突進した。
ヘラを抱きかかえて守るウジン。
担任ジス「お別れを言いに来たわ。退職届を出した。」
ウジン「ご心配なく。誰も知らない。」
担任ジス「それは違うわ。あなたも私も知ってるもの。覚悟しなさい。」
そう言い残し、車で去っていった。
ウジンはジェイを呼び出し、2人で話す。
担任ジスがイナンを轢いてしまった車が見つかると、政治家の父に迷惑がかかるから隠し、ペン型カメラも隠し持っていた。
ウジンは過ちを犯したことを後悔し、イナンの遺品であるペン型カメラを差し出した。
ジェイはそれをハに渡し、ハは警察に提出した。
イナンのペン型カメラから、パーティーでのいじめの全貌と、事故の真相が分かった。
チュシン高校は警察の捜査が入り、いじめの主犯格であるユンソクは連行され、担任ジスは逮捕された。
ハは担任ジスの逮捕を見届けた。
ハと目があったジスは、ことの重大さを改めて思い知る。
校長は懲罰会議にかけられ、チュシン会長であるリアン母ヘウォンによってクビになる。
長年尽くしてきた校長を、紙くずのように捨てた。
ジュウォンは「学校を潰したかったけど、母さんを巻き込みたくなかった。終わったね。母さんが開放された。それで十分だ。」と涙を流して喜んだ。
ジェイの妊娠・流産と、その相手がリアンであることまで報じられ、チュシン会長ヘウォンはその対処に追われることになる。
ジェイ父ギヨンは、ジェイに怒り果て、「お前はやることが母親そっくりだ。そして私の計画を台無しにした。もう用無しだ。お前も私も無駄な時間を過ごしたようだ。私はな、一度捨てたものは拾わない。人間ならなおさら。」と言い放ち、ジェイを捨てた。
ジェイは、どこかすっきりした表情。
学校でリアンの取り巻きはいなくなった。
リアンはハに謝罪した。
しかし、「一生、罪悪感に苦しめ。僕は絶対に許さない。」とハ。
ガックリ肩を落とすリアン。
リアン母ヘウォンは、チュシングループ会長として、今回の騒動の謝罪会見を行った。
「生徒たちの暴力や、逸脱行為についても責任を痛感し、再発防止に全力を尽くします」と。
新しい校長が着任。
ユンソクやチャンミンたちは、学校で懲罰会議にかけられる。
そこへリアンが現れ、「僕も加害者です」と申し出た。
ウジンの父は大統領選への立候補を断念。
ウジンも自分の罪を白状すればよかったと後悔をにじませる。
ヘラは「伏せたほうがいい場合もある。ジェイを裏切ったことは秘密でいい。そのかわり一生尽くすの。」とウジンに言った。
「チュシンも俺たちも変われるかな?」とウジン。
「チュシンは簡単には変わらないと思う。私たちもね。」と答えるヘラ。
ハとテホは、一緒にバスで下校。
テホは、ハを避けたこと、協力を断ったことを謝った。
「俺たち、こんなことで謝る仲だったか?友達ならいろいろあるってイナンも言ってた。」と2人は笑い合った。
ジェイとヘラはすっかり仲直りし、抱き合って再会を約束した。
ジェイは自転車を持って、リアンの家の前へ。
2人は学校をサボって、自転車に乗ったり、屋台のお菓子を食べたり。
1日中楽しんだ後、ジェイはリアンに告げる。
「お互いに寄りかかるのはもうやめよう。寄りかかる必要がないくらい、1人でも十分に幸せになって、幸せを分け合える余裕ができた時にまた会おう。」と。
2人は抱き合って、お互いの幸せを祈った。
そしてジェイは旅立ちの日。
ハはジェイの元に走った。
そして抱きしめて「許してくれ。やめようと何度も思った。僕はジェイだけを思って闘いたかった。でもそうはいかないだろ?兄さんの事件を忘れるわけにはいかない。しかたなかった。許してくれ。ごめん…外国行きだなんて、好きになってしまったのもごめん!」と言った。
ジェイは「心配しないで、韓国に残る。」と答えた。
驚くハ。
ジェイは、自分の思うように生き、幸せでいられる場所で出直すと言う。
そして「覚えてる?私への最後の質問※。そうよ、私はウソを答えた。」と告げ、去っていった。
(※「僕を好きだったことは?」「ないわ、一度も。」)
チュシン高校には日常が戻り、生徒同志の状況は少しだけ良好になった。
ジェイは海沿いの街にいた。
橋を渡って、小さな家にたどり着く。
庭の植物に水やりしている女性。
ジェイは「ママ!」と呼んで微笑んだ。
<エンドロール後>
チュシン高校の教室に、血を流して倒れる生徒が。
それを見て悲鳴をあげるヘラ。
何事かと集まるリアンたち。
リアンの携帯が鳴り、「驚いた?リアン」とメッセージが届く。
ほくそ笑んで廊下を歩くカン・ハ…
<終>